娼少女
白糸雅樹

こころをすてればいくらでもやさしくなれるわ
わたしはあらうの
つかれたおとこを
 
ひとやまいくらのあいがほしい?
おのぞみのままに
こちらのあいはひとふくろ5000円
こちらのあいはひとやま20000円
ほんとのあいはひとかけら100円のちょこれーとでうってあげる
 
こころをすてればいくらでもやさしくなれるの
あせのにおいのからだを舌できよめるの
わきがのくぼみにはなおしつけてあまえるの
ちゅうじつなハープのようにあなたのうたをうたうの
 
あなたがわたしをしんじずに
ほんとはかれしいるんだろ? とか
いやだとおもってだかれているんだろ? なんてききほじってもおこらない
にこにこわらって、そんなことないよぉってごびをのばすの
わたしはあなたをあいしているの
いつだってわたしはめのまえにいるひとをあいするの
 
こころをすてればいくらでもやさしくなれるわ
いたみにこえをあげさせたければこえをあげるわ
ぺにすがおおきすぎるだけならがまんするわ
らんぼうにされたってあまえてやさしくしてっておねがいするだけよ
 
ひとやまいくらのあいがほしい?
こころをすてればいくらでもあいがうれるの
まるで無尽蔵の金鉱のようよ
あなたがわたしのあいをしんじなくてもきずつかない
だってわたしにはこころがないのだもの
 
もてあそびたいひとにはすきなだけもてあそばせるの
しりのあなをなめろといわれたらなめるの
したをさしいれたりもするの
のどのおくに肉塊をおしこまれて吐きそうになってもへんなこえはださないわ
 
べたべたとあいのことばをなすりつけられてもだいじょうぶ
あまいそらごとでうらぎられてもだいじょうぶ
こころをすてればいくらでもやさしくなれるわ
 
こころをすてればいくらでもやさしくなれるの
わたしはあらうの
つかれたおとこたちを
わたしのまえではどれだけいやなおとこになってみせてもへいきよ
わたしあなたをあいしているわ
 
                       2005/08/19
                       2005/10/14 改稿


自由詩 娼少女 Copyright 白糸雅樹 2006-04-12 23:08:41
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