僕と君と麦わら帽子と本 第五章
こめ
公園に着いたがエリカはいなかった
大きなため息をついて腰を下ろした
ふと、自分は何故こんなにがっかりしているのかと
疑問に思った
エリカという名前を知っているだけであとは
背は僕と同じ175?位で
でも、僕の方がちょっと大きくて
体は細くて色白で長髪
それと麦わら帽子がとても似合うしか
よくよく考えたら分からなかった
エリカの方も僕のことは
本の虫で名前が沖島史彦ということしか
知っていないはずだそれに
もう二度と来ないかもしれないしね
そんなまた逢えるとか喜んできた
僕がバカだったなとまた深いため息をついて
本を読み始めた
それでもまだ心の隅にエリカのことが引っかかり
本に集中出来なかった
それでも時間がたつのはやく
気が付いたらもうすぐ仕事にいく時間だった
腰をゆっくり上げて歩こうとしたら
後ろから「おーい」と呼ばれた
振り返ってみると
エリカが全力でこちらに走って来ていた
そして僕の前でひざに手を当てて息をきらしていた
そしてこちらを見上げて
「やっぱり、いたんだね!仕事終わって急いで来たから
つかれたよ」
「お疲れさま、無理して来なくても良かったのに
ぼくも、もうすぐ帰るからさ」
「そうなん、がっかり」と凹んでいた
「まあ、でも僕ならほとんど毎日いるから
あいたいときにここに来ればいいからさ」
「そうなんだ、もしかしたらもう来なくなるんじゃないって
不安だった!でも、私もなるべく来るからさ
その時は色々本の話し聞かせてくれない?
あ、でもこの前あったバッカリなのにずうずうしいね」
そういうと下を向いてしまった
「いやいや、そんなことなら大丈夫だよ、
僕も本ばっかり読んでで、あんまり人と
ふれあってないからさ、逆に
こちらからお願いしたいくらいですよ」
「本当に?やった!じゃあ、良いんですね?
嬉しいです!ホントのの本当に!」
彼女は本当に子供のように無邪気に
喜んでいたように見えた
「じゃあ、僕もは仕事だから帰るね、あ、ちょっと待って」
そういうと紙とペンを出して
自分のメールアドレスを書いて
エリカに渡した
「これ、なんかあったらここに連絡して」
そう言い残して、足早にその場を立ち去った
なにしてんだか、ほとんど赤の他人に
アドレスを教えるなんて、
そう思ったがなにかとても
充実した気持ちになった
何故だろうな?