レシート01。
湾鶴

レシート01

幾重にも重なったメシュの向こうに
夏の日差しが張り付いていた

平縫いを、急げば針が人差し指を刺す。ちじれた網は広がり続け、きびなごを捕らえようとする。
日は高くなり、雲は落ちてくる。

畳はいつもひんやりとしていて
ちんこもしょんべんもないぞうも
垂流しで蝉が鳴く
からっぽになって真っ白け

茜が山に下れば、チェロのひぐらし。
デンデン畑に、ほたるの吐息。
 
 いつもと同じ店、同じ風景、同じ味。
 それでもレシートは打ち出される。
 いつもと同じ夏。レシート01。


自由詩 レシート01。 Copyright 湾鶴 2003-07-22 14:09:57
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