鳥の滴り
A道化




1日の
はじめに生まれ喜ぶ、方角の
まだ濃紺の稜線から
チチチ、チチチ、と
鳥の音が明るみ
窓に映えはじめ


あ、
時折、
窓をかすめる鳥の姿が
鳥の音に結びつけば
会いたかったことを告げ合う前に
窓からほどけ散ってしまい


鳥の音だけの残る硝子は
指をのばすわたしに残された、朝
触れることのできる、光
嗚呼、チチチ、チチチ、が、今にも
瞳ごと滴りそうです
瞳ごと滴りそうです


2006.4.1.


自由詩 鳥の滴り Copyright A道化 2006-04-01 15:19:23
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