僕と君と麦わら帽子と本 第二章
こめ
朝日に気が付き
のろのろと起きあがりカーテンをひらき
頭をかきながら洗面所に向かい
顔を洗い適当に歯を磨き
トーストを2枚焼きマーガリンを塗って
サクッと食べた
そして部屋の3分の1ほどの大きな本棚から
適当に目に付いた本を2.3冊持ち
あと、ぬるくなったコーヒーを水筒にいれて
賞味期限が今日の
昼飯代わりのあんパンを一つ持って
大きなあくびをしながら玄関を開けて
いつもの公園のいつもの木の下に
座り込みまたいつもどうりに
本を読み始めた
今日は平日なので子供もいなく
休憩中のサラリーマンや散歩中の老人しかいなかった
ぼくは夜、バーで仕事をしているため
朝と昼はほとんど暇なのである
まあ、みんながいうフリーターのような感じだった
まあやることがないしバーのアルバイトだけでも
そこそこ生活できるのでよかった
ふとデジャブのような感覚に襲われた
どこからか人間の視線を感じ取った
デジャブのような感覚は
前にもこの視線を感じたことがあるからだった
ふと2,3日前小川のそばに座っていた彼女のことを
思い出した
パタンと本を閉じ
そしてこの前その彼女を見かけた方に目をやった
するとこの前と変わらず彼女は深く
麦わら帽子をかぶりこんで
こちらを一心に見つめていた
ぼくも彼女に目を向けたが
どう見ても知らない女性だった
ぼくはゆっくりとたちあがり持ってきた荷物を持ち
彼女のほうに歩いて向かった