僕と君と麦わら帽子と本   第一章
こめ

僕はいま

サンサンに照りつける

太陽をよけるため

大きな木の下で

本を黙々と読んでいる

自分がこの世界にいる

ころころと気持ちがいい緩い風が吹き

さらさらと近くの小川のせせらぎが聞こえ

わいわいとその小川で遊ぶ子供たちの声が聞こえ

その子供たちを麦わら帽子の女性が

微笑みながら見つめていた

ぼくはまたただ字が並べてあるだけの紙を

読み始めた

ぼくは自分だけの世界に入り込んでいた

ふと気が付いたら

もう金色の空が拡がっていた

しまったまた読み過ごしたと

頭を抱え込んでいると

どこかから視線を感じ取り

周りを見ていると

まだあの麦わら帽子の女性が

小川の側で座り込んでこちらを見ていた

そして僕が気が付いたのを分かると

立ち上がりどこかへ消えてしまった

いったい何なんだろうと思ったが

時間が迫っていたのでそのことをあとにした

それが物語の始まりでした




自由詩 僕と君と麦わら帽子と本   第一章 Copyright こめ 2006-03-28 15:49:49
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