征服
黒川排除 (oldsoup)

鬱蒼と茂るポシェットの中身と紐で繋がる

天秤を常に傾ける神だのみ

朝令嬢の笑顔見た窓から銃が引っ込む

信者といた部屋蒸し上がって襖ひらく

虫の色捨て切れず這い回る宿主

シャベルの音が上から近付いてくる

野山がない跨いでしまった

ガスボンベも死もひとくくりのワイヤーでつるむ

麓で泣いて午後には珊瑚になったという

ソファーとフリガナ残して音信不通になる

われは旗膝の上には一兵卒

異様な幹伐られた枝と炎で繋がる

見よこれが空腹であると紙裂く法師

風が吹くたび歯ぎしりのこと砂のこと

無数の矢吹くときしまりなく笑う天使

くさはら淀ませるいちにちが暮れるまで

雲からはしごが降りてきたら言えそれまで仮眠

目覚め舌打ちする村人たち灯籠の指紋

山も鼻も青し、ではそこに寝ているのか

ガールフレンドが空と同じ色で見えない


川柳 征服 Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2006-03-26 02:01:08
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