弥生の桜
逢坂桜


「いつか見た 景色のよう」と うそをつく
          桜の前には 恋の墓標を

願わくば 桜の下にて 恋、捨てる
          カケラも残すな 春の嵐に

祖母の眼に 桜の花は どう映る
          いつの心に とらわれてるの

桜散る 眼を閉じた祖父 杖にぎる
          動けないの? 動かないの

春、来ると 待ち遠しかった 花見の宴
          恋が終わった ひとりになった

       


短歌 弥生の桜 Copyright 逢坂桜 2006-03-17 23:05:05
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桜 さくら SAKURA