シーラカンス
mina

シーラカンスてことばが
とつぜんうかんできて
ああ、だからなんだ、と
まいにち せなかだけをみつめつづけてしまうあのこに
ふれあうことをしないのは
わたしが 化石のまま生き続けているからです


びじゃくなでんりゅうが
せなかごし まいにち ながれつづけています
よわったさいぼうに わかいってことでひかれているあなたのいのちは
どうしてかいたくて
せなかごし ふれあっているかもしれない、くうきの層のかさなりだけが
みずのように しびれをぞうしょくさせる
とうめいなてが、くらげのように刺すてがのび
刺されることしかできず 固くなるせなかから化石になっていくように


ゆめのなかには、でてこないでください
この脳は、たのんでもききわけもなく、けれどもつくりだしてしまう
みてしまうかなしさは
恋ではないのと いいきかせたら つぎのひからだはからっぽになっていた


カラカラに渇いているときほど なきたいものなのだと
かわらず、しょうめいにゆれるジョンレノンのような髪型のあのこを
いっそ、だきしめてみたら、と
ひとり
おなかがふくらんだおばさんなわたしが おもってしまうおそろしさは
どす黒く さむけがして こわいことに
かんじょうとからだがはなれている行為ができることで
うそをかさねた肉体を つかうことがまちがいであるように
おもえて

わたしは 化石のまま
いつまでも生き続けるしかできないでいます
 













未詩・独白 シーラカンス Copyright mina 2006-03-17 00:15:13
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