いるはずなのに
砂木

風にさわる手を
持っている 心

揺らいでいるのは
壁の外 ではなくて

壊す意味も途切れた
伏せた目の奥の ハンマー

持っていられない 紋様を
さらして 威嚇する蝶

かがみこんで
拾う こぼした刃に

うつる虹の 曲線
小指で 慕い

こんこんと 湧く
であってしまった季節

触れ合う 
すべて
押し戻される


自由詩 いるはずなのに Copyright 砂木 2006-03-12 12:31:09
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