我がミランダ
キリヱ

午後の日差しに翻る白いスカート 
柔らかな髪

思えばあれは初戀だった
名前も知らぬ年上の彼女
消え入りそうな細い躯を
ただ目で追っていた

古い映画を観て、ふと思い出す
もう顔すら思い出せない彼女を

あの時幼い私はセーラで
彼女はミランダだった
きっと彼女は
私が存在することさえ知らない

あの午後の日差しの中
消えてしまった幼い想い

今、貴女は何処で何をしているのだろう
もう出会うことのない
我がミランダ



映画「ピクニックatハンギングロック」に寄せて




自由詩 我がミランダ Copyright キリヱ 2006-03-08 19:41:24
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