【短歌祭参加作品】contre le sexism
本木はじめ
黒蜜の氷菓和尚が食べるとき観音扉の奥のまばたき
猫みたいな声を出すから燃え上がる火事にみとれるひとみをなめる
無意味だと思うぼくらのやることは星と星とが抱き合う夜に
尾骶骨ふれればきみは「そこそこ」と進化以前のプレイの名残り
字面からわきでる汗という文字の発生するに至る出会いか
分量の違いできみは灰になる蝶の死骸を口に含んで
誰とでもできてしまうということがとわにぼくらの運命を裂く
メタファーとしてのマシュマロまづすぎてきみのスプーンが欲しいぼくです
敏感な鳥が夜空を永遠に見れないような目隠しでして
全身の血液逆流するきみが白いロウソク熔かす火曜日