明日につないでいく
ブルース瀬戸内

私は、ふいに立ち止まって

不敵に構える明日を早送りしようとしたり

吸着する昨日にエフェクトをかけようとしたり

見えないものに頑としてしがみついたり

鮮明に見えるものを素っ気なく扱ったりします。


あなたはそれでも優しい顔で

不器用な私をともかくも食卓へ誘ったり

迷惑ばかりかける私の身体を心配してくれたりして

本当に

一度や二度の涙では感謝を言い尽くせません。


だから私は

世界が疑いもなくそこにあるのだと

あなたが疑いもなくそこにいるのだと

数多の哲学書を放り投げて

信じるに至っています。


私はあなたの作ったオムライスを食べながら

そう信じるに至っています。

その時あなたは

私がケチャップを服に飛ばさないか

その行方を見守っています。


そうしたことが

そうした他愛もないことが

昨日を今日に、今日を明日に

揺るぐことなく、つないでいきます。


自由詩 明日につないでいく Copyright ブルース瀬戸内 2006-03-02 23:32:53
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