だからわたしはせかいとであう
夕凪ここあ

知らないとしか
答えない人がいる
知ってることも教えない
ただ自分で探してごらん
ということは教えてくれる
自分で答えを探すことが
どんなにせかいを楽しくさせるかを
その人は知っている。

好きと愛してるの違いを
知ってる人がいる
愛してると簡単に言わないで欲しい
と悲しそうに言う
愛してるが誰にでも言える
言葉になってしまったら
せかいから愛してるが溢れて
零れて
誰にも届かなくなってしまうから
その人に愛してる人は
だからせかいでただひとりだ。

できるだけ
窓を開けていてください
と言う人がいる
そうすると部屋に季節が入ってきて
心があたたかくなるらしい
ひとりぼっちや
寂しさを感じたときには
ちゃんとせかいと繋がってるよ
と優しく教えてくれるから
なるほどその通りだった。

文字でしか
心を伝えられない人がいる
その横に
文字は書けないけれど
声にして心を伝える人がいる
ふたりは
ひとりとひとりを半分こにして
ひとつになっていた
誰かを支えてあげる
優しさを教えてくれていた。



目の前に
ちっぽけなんだと
泣いていた子がいたので
それでいいんだよと
抱きしめてあげた
こわいと思うことは
こわいことじゃない
わたしも同じだと
抱きしめた。



寝転がって
空を見上げると
いつもよりも
空が遠く広く見える
手を届かせたくて
誰もが手を伸ばす
せかいはわたしが知ってるよりも
はるかに広いから
たくさん
手を伸ばす
そうして触れたものを
わたしは大切に
して生きたい。



自由詩 だからわたしはせかいとであう Copyright 夕凪ここあ 2006-03-02 19:22:36
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