ルート232
安部行人

明け方 鉛色 海と空 境界もなく――流れる

震動 路面を噛む 風が切れる 海沿いの道


直線の彼方に消える道
白い塔
プロペラ――回る――誰もいない丘の上


枯草 ホワイトノイズ 緩い下り坂 雨の予感

ルート232 午前5時 濡れた空気 海鳥の群れ


海にそむく東への道
錆びた標識
ちぎれた旗――絡みつく――折れたガードレール


通り過ぎる――いま アンテナ 音楽を見つけた

通り過ぎる――電波のざわめき いま――

道の彼方へ


自由詩 ルート232 Copyright 安部行人 2006-02-28 00:54:52
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