火曜日(歩行者注意)
霜天
歩行者注意
そう書かれた建て看板から
色が失われてからどれくらい経つだろう
すっかりと白い顔の少年がこっちを、見ている
注意を向けられたことなんて、ここにどれだけあるだろう
大きな予鈴
僕は飛び込む
速いこと、が
ここでも求められているようで
紙一面の数式とにらみ合う
始まりから二番目の
空はやっぱり青い
白、黒、次は赤
それを操る顔も見えない、通過中の群れ
クラクション
ブレーキの刻まれる音
いろんなものが
いろんなものへ
間に合いますように
いつもの呼吸で
今日も昨日に並ぶ
色を失うようにして
たまには笑っていたい、と思う
手を祈るようにして、僕の
歩幅をいつも見ている
歩行者注意
ぶつからないように