青色に染まるころ
ブルース瀬戸内

雲の切れ端が

切れたかけらを探しているとき

あなたは人生の岐路にいて



探されている雲のかけらが

右往左往したり

聞き耳を立てたりしているとき

私は人生の岐路に気づきませんでした。


空は雲みたいな色をして

雲にしてみれば

かけらを探しにくい

意地悪な色をしています。


あなたは何故だか引き込まれるように

ひとつの道を選択して

少し、心が晴れやかになりました。


私は岐路にいることも分からないまま

自分の信念みたいなものに従っていると

いつの間にか、ひとつの道を選択していました。

それでも選択したことで

あなたと同じく晴れやかな気持ちになりました。


その時、空がじわっと青くなってきました。

その時、切れたかけらを探す雲は

空と鮮やかなコントラストで浮かぶ、

かけらの雲を見つけました。

ふたつはすぐにくっついて

ひとつの雲に戻りました。


空全体が

じんわり青色に染まるころ

私はあなたに出会いました。

あなたの向こうに

青に映える

真っ白な雲がひとつ見えました。


おおかたそんなふうにして

空は青色になりました。

おおかたそんなふうにして

私はあなたに出会いました。

雲は切れないように落ち着いた様子で

私たちの上を流れていきました。


自由詩 青色に染まるころ Copyright ブルース瀬戸内 2006-02-25 13:41:44
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