静かな町
紫翠

この道を知っている
雨の夜 冬の朝

通り過ぎる面影は 息をきらした 私
あなたの胸に 飛び込むために

今は静かなドアのむこうに いつも
貴方がいた
抱き締める腕があった

今日 私は立ち止まらずにあの角を曲がるだろう
風に解けてゆけ
短すぎた愛の残滓



自由詩 静かな町 Copyright 紫翠 2006-02-24 03:27:45
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