ぞんざいな存在
夕凪ここあ
存在
が、
危
(
あやう
)
いので
私は爪を
齧
(
かじ
)
る
以外
存在の端くれを
確かめようがない
ので、爪を齧り続ける
親指を終えた頃
心臓の音が聴こえ始め
次第、次第に輪郭が見える
が、小指に辿りつく
世界が遠くなる、
と足を見つける
私は剥がし始める
足をむしり、爪を剥がす
と、底から存在が現れる
存在に触れてしまうと
ぞんざいに扱うな、と
閉まわれて、終まう
存在と
相、
交
(
か
)
わらずに
途方に暮れていると
立て、なくなった
のは爪が無いせいだった
周りに散らかした私の端くれを見て
一番存在に近いだろう人に怒られた
動けない私が
感じる世界で
私は確かに呼吸をしていたし
何処かで存在を知ら示してくれるものの
端くれに触れて、いる
ことに私は未だ気づいていない
ことに気づいていた
自由詩
ぞんざいな存在
Copyright
夕凪ここあ
2006-02-23 02:59:38
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