気持ちの整理−死神と私−(旅立つ前の泣き言に)
蒸発王

旅立つ前に少し気持ちの整理をしておきたくて、少し感傷的にぼやきます。
帰ってきて気持ちが落ちついたら、削除してしまうかもしれません。
永遠の迷いの痕跡をして残しておくかもしれません。わからないけど、ぼやきます。

※※※※※

初めての文書リスト連作『死神と私』が終わりに近づいている。
具体的にいつごろとは解らないが、漠然と確実に終わりがすぐ近くに居る。ネタはきまっていないけど、最終回までの道筋が私にはもう見えてしまった。それがどうしようもなく哀しくて不安だ。
最初の回で小学生だった『私』はもう40過ぎの未亡人になった。
季節も冬から始まり春、夏を終わって秋に入った。
もうすぐ一周する。一周したら終わりだ。そう決めている。
そんな風に決めた自分が恨めしく、それでも何時までも続けていける自信も無いのだからこの決まりに従ってきちんと終わらせないといけないと思っている。でも、決心と同じ強さで終わってしまうのを怖れている。いままで書いた長い話が終わってしまったら?もう生活の一部になっているキャラクターと別れたら?作者(私)はどうなってしまうのだろう。彼らは終わっていくのに私は続いている。まるで置いてきぼりにされるような不安がどんどん大きくなる。今まで沢山長い作品を書いてきて、死神シリーズはむしろ短い連作だといえる。けれども、こんな不安は初めてで、普通だったら下らないと笑いとばすような、感傷的な人間になっている。
でも終わらせないといけないのだ、彼らのためにも私のためにも色々な人のためにも。
少なくとも私はそう信じて、すこし震えながら次の話のネタを考える。そして思いつくたび、恐怖と同じ強さの決心を感じる。

幸いにも思っていたより多くの人が私のキャラクターを愛してくれている。私だけじゃなくて、死神を愛してくれた人達も納得がいく形での最終回を考えていた。
そして、急に雪が見たくなって今夜、長野へ旅にでる。
帰ってくるまでに、すこし大きくなれたら良いなと思う。

では。



散文(批評随筆小説等) 気持ちの整理−死神と私−(旅立つ前の泣き言に) Copyright 蒸発王 2006-02-21 17:03:42
notebook Home 戻る