ブランコから見た空は海に似ていた
ベンジャミン
ブランコから見た空は海に似ていた
悲しみに揺れるように
君はぎりぎりの角度で空を見る
浮かべた涙をこぼさぬように
近づく地面を遠ざけて
君はぎりぎりの角度で
懸命にこらえている
何かを
何かではないものにしたいと
(空見えた、空消えた)
ブランコから見た空は海に似ていた
溢れそうな感情と
同じリズムでよみがえる記憶
忘れるための何かで
いつの間にか満たされてしまうけど
君の浮かべた悲しみは
君の浮かべた涙じゃない
だってそれは
繰り返す波のように
次の喜びを運んでくれる
(空見えた、空消えた)
ブランコから見た空は海に似ていた
風が少し塩辛い
それでも君は見上げてる
(空見えた、空消えた)
忘れるための何かが
押し寄せてくるとしても
ゆっくり瞳を閉じればいい
そこにはきっと空があり
そこにはきっと海がある
僕達は
そうやって生きている
(空見えた、空消えた)
悲しみに閉ざされた
何かを涙にしなくていい
あたりまえに
海や空があるように
ブランコから見た空は海に似ていた
それは涙の味がしたけれど
閉ざされた瞳の中でも
僕達は
悲しみ以外の何かを
見つけることができるから