瞼
a.u.i.
日は翳り
見上げた月は幾分か朧で
乳白色の湯船から浮き上がる手は
もう
あなたの手か 私の手か
わからないくらいに
溶けていた
わからないだらけの中で
わかることをひとかけらでも探していた
星の王子様の孤独について
考えてみたりで
月が照っていたって
わからないだらけの中で
眩しすぎて見開いた私の瞼を
そっと
閉じさせたにほんの指は
今
ちゃんと幸せですか、
今夜は
乳白色の湯船には決して
浮かばないはずの
星々を浮かべてみせるから
どこかで笑っていてほしいの
ねぇ、
やっぱり
真偽よか
優しさをあたためて眠るわ
瞼はもう
夢見がちではないの
今日あなたが見る夢が
幸せであればいい
今日も生きてる私は
いくらか弱いから