陽だまりの唄
佐野権太

陽だまりの底
君は積み木を重ねる

覚えたての唄
あやふやな旋律が
転びながら流れゆく
楽しげに

また ひとつ

舌足らずで
まちがいだらけの詞は
君に届いた色
そのままに

そこは違うと
でかかる言葉を
くっとこらえて
目を細めれば

それはそれ
やわらかい光に
溶けてゆく 溶けてゆく

もう ひとつ

崩れそうな端っこを
こらえきれず
つ とずらせば
がらがらと

ふくらむほっぺに叱られて
深く反省

あぁ だけど も一度聞きたい
君の替え歌
陽だまりの唄


自由詩 陽だまりの唄 Copyright 佐野権太 2006-02-09 17:32:06
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