004 mail
完食

ケータイ電話がならないことは、
決して寂しいことではない

新着メール問い合わせのたびに、
鬱になる必要なんかない

新着メールはありませんと言われたら、
死にたくなる気持ちは捨てておけばいい

たった一度だけ鳴ったケータイが、
私のほうを見てしょんぼりす

たった一度だけ鳴ったケータイを、
握り締めて私はしょんぼりす

寂しくないだなんてそれはただの、
つよがりでしかないのに

寂しくないからメールは大丈夫だよ、
言わなきゃ良かったんだ

ケータイ電話がならないことは、
決して寂しいことではない

そう言い聞かせてもう一度、
新着メールを問い合わせる

新着メールはありません、
腐るほど見て 泣いた

折りたためない方向に曲げられそうになるケータイは、
ぎいぎいって 鳴いた


自由詩 004 mail Copyright 完食 2006-02-08 23:38:34
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