風花
純太

風花の
細雪が落ちてきた
七輪の上にのっている
二つきりのホタテにも

降る度に
曇った空を見上げると
雪はいつも
遊びながら落ちてくる

ときどき気まぐれに

 °し 。

と書いたり
または

°く。°つ。て°。の°

。へ。。ろ。ん°。

などと
風とひらがなを描きながら
俺の唇に辿りつく

雪は何かいいたげで
カワイイやつらだ

追った一つの細雪が
ホタテの食べ頃を
教えてくれた

七輪の中で
赤く火照った炭と交わる細雪

そうだ
人は雪が降る折々に火を求める
冷たさだけではない
氷点を知るから
暖かさの価値を知っているのだろう

細雪はもう一つ
俺に教えてくれたんだ


自由詩 風花 Copyright 純太 2004-01-30 22:33:35
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