空と海の狭間で
ベンジャミン

空と海の境目は
遥か遠くでつながっている

海鳥が
水際に光る魚を探している
真実は見え隠れして
それを捕えるためには
そこに飛び込まなくてはならない

解っている

生き残るために必至になっている
人がいる

生き残るためにずぶ濡れになっている
人がいる

安楽に浸ることで
失われてゆく何かがあるとしたら
それは
懸命に生きる人が
求めているものときっと同じだ

いつか見た

公園に住んでるおじさん
電柱に寄りかかり
酔いつぶれているサラリーマン


空と海の境目は
遥か遠くでつながっている

対極に存在するものに
本当の意味での差などない

傷つきながら生きる魚を
泳ぐことの出来ない海鳥が狙っている

誰もがただ
生きるために必至なのだ

だから心の何処かで
いつも優しさを求めている


空と海の境目は
遥か遠くでつながっている

対極に位置する全てのものでさえ
何処かで交わる場所がある

地球はまるい

そんな
当たり前のこと

そう
解っている


空と海の境目は
遥か遠くでつながっている

同じように

僕らが解りあうことも
けして難しいことじゃないことを

知っている





自由詩 空と海の狭間で Copyright ベンジャミン 2006-02-05 02:04:24
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