きみに
入谷理

君に何か言おうと笑ってみても
なにもできずに
僕ら、気づかっていても 
たがいの距離が量りきれない

遠く、目に見えぬ明日 
不安だらけで少し苦しい
この夜を飛び越えて君に
会いに行けたら、闇に願う

ギュッと抱きしめてたいよ、君を
心の奥から祈るように
たとえ一瞬の光だとしても
これが正直な気持ちだから
さらけだして、恥ずかしがらずに
君と行くのさ
夢見るように笑って、
抱きしめる全部


赤く光る星からとどいたような
虹色のペンで
夏のノート塗り潰す
余白だらけの胸をうめたい
やがて、気がつく時が
来るだろうか? 壊したくないよ
この時が波のまにまに
消えてゆくこと、信じたくない


未詩・独白 きみに Copyright 入谷理 2006-02-04 10:48:06
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