ちゅう
入谷理

ちゅうさんて
なんのことかっちゅうと
あんまよくわからへんな
えらい飲べえちゅう話や。
ちゅうさんチューチュー言うてるから
おまえ鼠にでもなったんか?
て聞くと、ちゃうちゅーねん。
中年がどうしたってこうしたって
腹黒いおっさんのことだから
注意してると虫垂炎でのたうち
ころげ回って無茶苦茶苦しんで
笑っとるやんけ。
なんやおまえ、けったいなやつやな
頭でもおかしくなったんか?
ぼけ、ほっとけ
知らんちゅーねん
ちゅうさんどなりよった。
ちゅうちゅうタコかいな
て十数えてる間にも
ちゅうさんどんどん赤くなって
ふくらんでいきよる。
ちゅうことはだな
なにかたくらみでもあるんやろか?
てうたがっとったら
あんじょう、
ちゅうさんスミ吐出しおって
あっちゅーまにあたり
いちめんまっ黒になってしもうた。
なんちゅうことしよるねん
どついたろかとおもったら
ちゅうさんもうおらんねん
しゃあないな
こんどみつけたら
しばいたろ
ゆでたこにしたるわ
てよたよた歩いてると
よこからちゅうさんあらわれおって
あべこべにしばり首しよって
ちゅうづりにされてもうた
あかん、わ
しん…ど、い
た、す、け、…

ちゅうちゅう。


自由詩 ちゅう Copyright 入谷理 2006-02-04 02:00:02
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