僕のすべて
maumi

今まで信じていたもの
心が違うと叫んだ時から
手は口を塞ぎ
瞳は衝撃の水を泳いでた

思っていたのかもしれない
霧が覆う水のいたずら
色の効力に従う他に
何が出来ただろう

今まで確かだったこと
隣りで微笑む君を見た時から
時の砂を傾けて
悟られ終わることを拒んでた

絡み付くような深い霧が
指し出す手を隠そうとする
孤独で狂いそうな口は
深緑の森の葉を押し込められる

踏み出した足に響いてる
元は足跡も二つだったと

それだけのことと木霊する
五歩目の右足が出なかった時
すべてを見る

後戻りなど出来ぬよう
碧の水も緑の葉も
微かに触れた手を忘れさせた

それだけのことなのに
五歩目の右足が前に出なかった時
すべてを知る

置いてきたのは
僕のすべてだ


自由詩 僕のすべて Copyright maumi 2006-01-27 20:26:53
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