昇華
霜天

その人が、燃えていった
毎日よりも人は集まっていた
いなくなったというよりも
手放した、と言いたかった
彼らは笑う声で
透明な空を細い道にして
順番に順番に、昇っていった
花が、咲いていた
虹の端よりも届かないほど遠い色
そして八月は、静かになる

遠い帰り道には雨
落下する質量に香るのはその人の


自由詩 昇華 Copyright 霜天 2006-01-27 02:19:59
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