椿
ala
紅い花が落ちました
ゆっくりゆっくりと
白紙の様な白雪の上へ
音もなくゆっくりと
踏み潰されて行きました
くしゃりと小さな音を立てながら
黒ずんだ足跡に染まった紅は白紙に埋まります
そして、地上へと降り注ぐ雪に姿はかき消されました
小さな小道の中、小さな姿は永遠にかき消されたのです
自由詩
椿
Copyright
ala
2006-01-21 23:45:30