週末、騒がしい日常の
霜天
やさしい言葉の、降り落ちてくることを待っている
待ち合わせのための時計は、遅れる人を弾き出して
その日になる、ほんの寸前で
がちり、と大きな音を立てる
それはわずかな日常の
覚める直前の夢の不思議な色使い
あの日は待ちきれずに寄り添って
その日が、その日になるために
君はどこから、ここへ、来たのかを
僕も、ここも、誰も知らない
少しずつ、崩れ始めた時報を
確かめる手で僕をなでる
輪郭、はっきりとしない道すがらに
人は確かに実感されて
君はだんだん透き通っていく
僕らのことを尋ねる人に
冷たい水で答えてあげたい
週末、騒がしい日常の
狂いもなく塗り替えられていく色という色は
その日に、静かなままでいる僕らに合わせて
こんなにも透明になっている
イエスとノー、段差のない裏道で
複雑な街の複雑な地図の上
単純な合言葉でなぞれる世界に
静かな声で、待ち合わせる人
その日に向けて、待っている