週末、騒がしい日常の
霜天

やさしい言葉の、降り落ちてくることを待っている
待ち合わせのための時計は、遅れる人を弾き出して
その日になる、ほんの寸前で
がちり、と大きな音を立てる

それはわずかな日常の
覚める直前の夢の不思議な色使い
あの日は待ちきれずに寄り添って
その日が、その日になるために
君はどこから、ここへ、来たのかを
僕も、ここも、誰も知らない


少しずつ、崩れ始めた時報を
確かめる手で僕をなでる
輪郭、はっきりとしない道すがらに
人は確かに実感されて
君はだんだん透き通っていく
僕らのことを尋ねる人に
冷たい水で答えてあげたい


週末、騒がしい日常の
狂いもなく塗り替えられていく色という色は
その日に、静かなままでいる僕らに合わせて
こんなにも透明になっている
イエスとノー、段差のない裏道で
複雑な街の複雑な地図の上
単純な合言葉でなぞれる世界に
静かな声で、待ち合わせる人
その日に向けて、待っている


自由詩 週末、騒がしい日常の Copyright 霜天 2006-01-18 16:12:39
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