生活
夜景


星の瞬きのような街の灯を
高台から見下ろして 綺麗だとつぶやく人々がいる
このひとつひとつの灯の奥には
飾りではない 本当の

それはつつましく
されどしたたかに


幸せや
かなしみや
憂いや
罪を感じる心のものさしを誰もが持っていて
絶えまなく現実を計り続け
そのつど感情が生まれるけれど
同じ人間でなぜこうも
目盛りのふりかたが違うのだろう
傷つけるつもりはなくて
傷つけられる憶えもないのに
私の言動が誰かを傷つけ
泣きたいほど いつも誰かに
傷つく


人間同士の絆など愛し合うことでは
足りない


誰かを許し
誰かに許され
時には決して許さずに
摩擦のない時間の永遠を無数に切り刻んだ
たとえ そのたったひとかけらの灯 に過ぎないとしても

生活は続く
男によって 女によって 人によって

私は今を生きている







自由詩 生活 Copyright 夜景 2006-01-17 21:28:25
notebook Home 戻る