天気を決める人
合耕
僕にはいつもかぶさっているから
雨がやんだ後 手に持った刀に
灯を点せたとしてもうたぐっている
バスの中で
テニスコートが校舎の影に隠れるのを
通り過ぎる間 ずっと嫌だったから
ラインだけ引いてみんなを待つような
夢の間だけ待っていてくれればいい
あなたへ
逃げ込んだ場所でも壁の近くに座って
水平線ずっと引きずったら少し前の僕が
思い浮かべたように
道に迷っても いつも見上げるくらい
ただ巨大なだけのそのケーキも
曇り空の中 やぶけるものはひとつだけで
僕に伝わった
あなたが言うように
雨を降らせるなら
僕にはかぶさっている
このままずっと
止ませないでいて
クリームが削られてゆけば
僕にはかぶさっているから