賢クナラナイ頭ノ使ヒ方(其ノ一)
ななひと
・煙草に「肺」と書いて、吸ってもらう。または自分で吸う。
・「人間」と名付けたバッタを飼ってみる。
・友人にある言葉を紙に書いてもらい、封筒に入れる。自分には決して中がわからないようにしたまま、その場で封筒を燃やす。それ以降その封筒についてはお互いに考えないようにする。
・水溶性の紙に文字を書き、コップの水に溶かして毎日花に水をやる。その成長を観察する。
・辞書に載っていない単語を探す。
・紙の前に鏡を置き、文字を書く。その後鏡に手を加えずに鏡の中の文字だけを消す方法を考える。
・「被疑者死亡のまま検察庁に書類送致」の意味を三歳の子供に説明する方法を考える。
・幽霊屋敷のリビングの中央に向日葵の種を植え、それが大輪の花を咲かせている様子を想像する。
・鼻に「耳」と書いてもらい、大きく息を吸ってみる。または吐いてみる。
・「握手」という言葉で想像した二つの手の間に割り込んでみる。
・日本語を音声として聞く練習をする。その際、その言葉の意味を理解してはならない。
・ある単語を選び、それからは決して連想できない単語を書き連ねる。できあがったらそれを繰り返し読み返し連想できない単語を連想できるようになるよう練習する。