自然淘汰、ポケットの
A道化




何かを待つ
ということは
何もしていないことに酷似している
と、感じて
せめて俯いた
アスファルトが好きです、って目つきで


いま
手のひら
差し入れたポケットが
奥まで寒い、そのこと
突き詰めるためにぎゅっ、としたら
中身の無い小包のように
手のひらは
呆気なく
悲しくなって


(あんたなんか、)
(あんたなんか、)


嗚呼、アスファルトが好きなんだ
潰れた南天の実みたいにどうしようもなく
どうしようもなくアスファルトが好きなんだ
だから、うずくまって
ポケットなんて押し潰すのが必然だろ
差し入れた手のひらごと、くしゃっ、として
(あんたなんか、いなかった。)


2006.1.7.


自由詩 自然淘汰、ポケットの Copyright A道化 2006-01-07 01:48:45
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