パレード(いっそのことのための)
nm6

パレード。パラーデ。歩いているものを集めて、ただそれだけのこと。川のような世界で、素数のようにひとりぼっち。2、3、5、7、11、とそこまで数えたときは、最盛期たる朝。いっそのこと、きみは世界をよく見ていると讃えよう。



パレード。だ、いつかは月へ、
行こう、丸い、
白くて丸い、
すべすべとしてどきどき、
聴いているときどき、ときどき、どきどき、
音楽に光、
音楽に光が、
水が、気体になって、
モノクロの夜に朝のようになって、
まるで音楽に光が粒になって流れているようになって、
ああ、いつかは月へ、
白くてまるくてすべすべとした月へ、
つぶやいたことを忘れていた、
さようなら、と、





音楽に光が、





パレード。パラーデ。と、だれにでもわかる気持ちのこと。川のような世界で、考察のようにひとりぼっち。1、2、3、4、5、とそこまで数えたときは、論理的たる朝。朝?

ぼくらには何もわかっちゃいない。









だれにでもわかる気持ちのことを話している気になった、マクドナルドの大学生のパレード。「がんばるしかないんだよ」って、それならばぼくらはどこだ。机の上がオイリーでも滑らない。いつかは思想とか言ってみようと思う。


鬱々としながらも口の動きに意識を集中してごまかした、第4会議室の平社員のパレード。窓の外も寒そうだった、それならばぼくらはどこだ。今はまだ「さよなら」と吐き捨てて逃げ出せない。いつかは勇気とか言ってみようと思う。


第一の構えで身構えてみている。
次は、









海の向こうに思いを馳せるだけの想像力に乏しかった、
布団の中の優等生。

舞台裏をつい横目で覗いてしまわなければよかった、
闇夜の工事現場の作業工。

待ちぼうけていることに酔うことにして元旦を迎えた、
とある駅前の女子高生。

いっそのこと、みんなで、だ。

さようなら、




水が、気体になって、
モノクロの夜に朝のようになって、
まるで音楽に光が粒になって流れているようになって、




まるで、音楽に光が。
パレード。


自由詩 パレード(いっそのことのための) Copyright nm6 2006-01-07 00:57:28
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
自薦詩集