夜半体温
霜天

眠る、寸前の浅い水温に
浸す指先の薄い心音
誰かが残していった空間の
点と線と、構成しているすべてを
場所も、時間も、爪先が触れているうちに
遠くに行かない、そのために


世界はきっと正確に
君へさよならとおはよう、を繰り返す
僕が輪郭に触れたがるのは
夜明けへ向かう水温の
冷たいことを知っているから


再構築、する
とりあえず寄せ集めて
手のひらの集中で、体温を測る
それはいつかよりもまだ遠くて
眠れない人がいることを、どこかに
夜の途中で


体温、繋がらなくても
空は満水に程遠い
誰かが残していった空間の
いつか戻る、体温を探している
薄い心音がおはよう、と言う
繰り返す言葉の着地点は
今も、決まらないまま


自由詩 夜半体温 Copyright 霜天 2006-01-06 01:56:45
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
四文字熟語