いつか歩いた
馬場 こういち


いつか歩いた並木道
ちいさな歩道橋
あのとき
夕暮れ色に染まる
傾斜をみて
黒いコートに
溢れる
さみしい色は
木立の陰
カーブの辺りに
おちていた
黄色い葉
どこか
忘れてしまった
あの場所に
ぼんやりとした
記憶の
あの風景に
過ぎ去ってゆく
青に
ときどき
帰りたくなって
胸の底を
流れて
うすらいで
いつか歩いた
思い出に融けてゆく



自由詩 いつか歩いた Copyright 馬場 こういち 2006-01-05 00:27:40
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