リモネン、セプテンバー
たもつ



リモネン、セプテンバー
君の名で良かった
繋がり
繋がろうとする
僕らの身体は
いつも酸っぱくて
どこかが潔く
欠落している

育った街で
僕らに罪は無い
同じくらい
罪に僕らは無い
リモネン、セプテンバー
生まれた街のことは知らない
何故なら僕らは
まだ生まれてなどいないのだから

飛行機がまっしぐらに飛ぶ
その空は明方近くに
失われていた
誰も聞くことの無かった
ひとすじの悲鳴とともに
リモネン、セプテンバー
僕が君の名で良かった




自由詩 リモネン、セプテンバー Copyright たもつ 2005-12-31 12:12:44
notebook Home 戻る