ウインカー、揺れる方へ
霜天
手を
両手を広げ、そらへ
飛ぶように飛ばないように広げ、手を、そらへ
色々と自由になった気がして
交差点を、待つ
輪郭を見ている
箱の世界にいながら
回転を繰り返すのは
いつも白紙に、円ばかり描いていたから
踏み切りを伸び上がるように
何かが通過していく
見えている部分に触れるように
右へ行くと言う
ハンドルを、右へ
点滅する光の束に目を閉じてしまう
ハンドル、を、右へ
導いて
くれるものは何処にもなくて
暮れていこうにも
どうにも狭すぎて
色々と自由になった気がして
ハンドルを右へ、繰り返す
ウインカー、点滅する、そらへ、揺れる方へ
間違えた手紙を丸めて
放り投げる軌道
それがそらだった、なんて
君がぽつりと、言う