ウインカー、揺れる方へ
霜天

手を
両手を広げ、そらへ
飛ぶように飛ばないように広げ、手を、そらへ
色々と自由になった気がして
交差点を、待つ


輪郭を見ている
箱の世界にいながら
回転を繰り返すのは
いつも白紙に、円ばかり描いていたから
踏み切りを伸び上がるように
何かが通過していく
見えている部分に触れるように


右へ行くと言う
ハンドルを、右へ
点滅する光の束に目を閉じてしまう
ハンドル、を、右へ
導いて
くれるものは何処にもなくて
暮れていこうにも
どうにも狭すぎて


色々と自由になった気がして
ハンドルを右へ、繰り返す
ウインカー、点滅する、そらへ、揺れる方へ
間違えた手紙を丸めて
放り投げる軌道
それがそらだった、なんて
君がぽつりと、言う


自由詩 ウインカー、揺れる方へ Copyright 霜天 2005-12-29 00:18:43
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