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黒川排除 (oldsoup)

板突然鏡になり通夜飲み込む

星座を煮る鍋の古さが目にしみる

丘陵で鉄分とりあうあの頃のぼくと

カーブ艶やかなるを組体操がごみの山

疾き馬の毛並み越えかねる朝日

氷解けるごとにくっきり鞭の痕

実情を知り得る花びらからちぎる

見初めようのない淵の石雛火を啄む

粉薬のビン透明砂漠を蒸し返し

王の居場所の代わりに灰を掴まされ

側壁濡らす雨中世より傘を差し

フラスコに傾く背筋のいわば滝

辻を駆る歴史渦ならひとりごち

外套を着た沼がバス停で待っていた

日差しの強い住居の下で焦げ付く糊

反吐を出してきた令嬢に帽子を返す

喪を撃った銃の硝煙サバンナで見る

頭巾雪より深く裏道で異形と化し

胴を抜かれるこころは田園にゆるす

修行が足りない血が足りないと仙人の牙


川柳 * Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2005-12-26 00:00:04
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