君がいた。
天使




小さな指で僕の顔をなぞる

その手は白くてとても冷たい。



僕が涙を流すと またその指で拭ってくれる。



そんな君の手は 日に日に細くなってゆく。



僕はそのたび涙して 君はそのたび弱弱しく僕の涙を拭ってくれた。




君は自分のことだけでも 苦しくて大変なのに・・・

どうして僕のことまで 心配してくれるの?


僕は君に何も出来なくて・・・

君は僕にたくさんあたえてくれる。



その優しい心もぬくもりも。

その笑顔も・・・・。


どうして君はそうしてられるの?


どうして君は最後の最後まで・・・かわらないままでいられるの?


僕にはできない・・・


君が背負ってるのと同じモノを僕が背負うと

僕はきっと僕じゃなくなる。


その重さで・・・・壊れてしまう。



それほど苦しくて 悲しくて 恐いモノを

君は笑いながら受けている。



〜ねぇ?君はどうしてそんなに強いの?〜

〜ねぇ?君はどうして笑っていられるの?〜

その問いかけに・・・・・最後の最後答えてくれた。





「あなたがいてくれたから・・・・私は楽しかった・・・・
あなたがいたから・・・・私は生きれた・・・・
ありがとう・・・・・・。」


そう言い涙を流す君。




僕はその言葉に また涙してしまった。


そして君はまた僕の涙を拭ってくれて・・・・

その手からは 力がぬけていった。


そして二度と僕の涙を拭ってはくれなかった。






ねぇ?どうして・・・・最後の最後まで・・・

君は人を想っていられるの?

ねぇ?どうして・・・・君は・・・僕を楽にしてくれるの?






僕は何も出来なかったのに・・・・



どうして・・・こんなに優しい人を・・・奪っていくのでしょうか?



どうして・・・・・僕のたったひとりの大切な人を・・・・





奪ってゆくの?



どうして・・・どうして・・・・・・・・
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



君は・・・僕といて・・・幸せだったですか?








僕は・・・・今でも・・・・君の指の感触が・・・・・


・・・・・・忘れられない・・・。




自由詩 君がいた。 Copyright 天使 2005-12-19 21:38:24
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