雪・蛍祭り
たりぽん(大理 奔)

ふわりと舞う雪が
街の灯りを反射して
今夜は蛍祭りだ

  初夏の焦燥をも凍らせて
  激しく雷光を放ちながら
  吹雪いても、唸っても

季節が渡っていくというのに
冬の丸底フラスコの中
私は

水栽培のヒヤシンスのように
根を伸ばして

なまぬるい溶液の中で
どこにもとどかない

ただただ
冷たい蛍が凍える頬で
滑り落ちるだけなのです




自由詩 雪・蛍祭り Copyright たりぽん(大理 奔) 2005-12-14 12:11:17
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