暮れ方
石川和広

傷ついた
というより
どうしようもなかった
話がある

洗濯物をたたんでいく
パンツ
シャツ
ヨーロッパ


僕の無器用さは消えない
どうしても嫌なことは嫌といってしまう
言葉で

嫌われる
もう少し無難な対応が出来ないか

ひきずってしまうズボンの端くれ

疲れる
夕陽
涙はでない

こんなんでまた世間にでて
嫌なやつともいられるかな

ここは刑務所ではない

きっと出会いが悪かったんだなと
片付かない
部屋
さようなら

悲しくない
深い疲労

傷ついた人はたちつくしたまま
刃物をふるう

そんなニュースをみる

やるせない
暮れ方のこたつ

うまくやりすごせないかなあ

通りすぎていく
のが難しい

そして疲労は更に深く
不覚

まだ爪が甘い
武道なら指を逆に
おられている

まだ甘い


くだらない奴になりたくない
正直な無謀さ
洗練されたふるまい
できない
自分は悪ももっている
そんないい奴にはなれないよ

つながりはなくなった

深くやわらかい疲労
頭がくしゃくしゃのセーター

傷ついた人は立っている

僕は傷ついたのだろうか?


自由詩 暮れ方 Copyright 石川和広 2005-12-10 17:59:49縦
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