バイバイしながら追いかけて
ZUZU
三才のおいっこが
坂道のうえの車庫から
インフルエンザの予防接種へいくぼくを
タッタと追いかけてくる
車があぶないから
きちゃだめだよ
ちゅうしゃしにいくんだよ
いたいいたいだよ
だっこして車庫までつれてって
わかったねって言うと
うんとうなずくから
バイバイと歩いていくと
またまた
おいっこがきゃっきゃと
バイバイと手をふりながら
追いかけてくる
ぼくはもう
わーって抱きつかれるしかない
だって
バイバイしながら追いかけてくるんだもの
あんなにいっぱいの笑顔で
ぼくもこうすりゃよかったんだな
もしかしたら、いつもいつも
なんて気もちにも
あとからなってしまった
しかたなく
いっしょに病院まで歩いていく
三十とみっつちがい
なかよし手をつないで