空をいく魚の群れに
LEO

繋いだ手の感触を
消してしまえずに

たとえば、今
この空のあの雲
と 私の指が示しても
あの人にはもう
届かないでしょう



尾とひれのついた
魚の形の 群れが
泳いでいる

波のたたない海を

キラリと変わる
人の形の 魚になって
泳いでいる

うねりのない海を

ふたり泳いだのは
いつの空だったかしら



あとから
あとから
群れは続いて
音もなく行くだけの

どこまで
と 私の問いに
声は聞こえない

形を変えない私は
流れにもつけず
耳鳴りの奥に
潮騒を探してる


自由詩 空をいく魚の群れに Copyright LEO 2005-12-04 19:19:55
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