ノート


2.

指先から被われる
うすい膜で

いつか身体
捉え、られ

ほんとうの私になる



3.

切り取られた空間で
あおぞらはうごめく

酷くきゅうくつでしょう
とうたら

いいえ

ひとこと

完璧な拒絶を、みせた

4.

袖から伸びる
小さな手

爪先まで残らずきれいなので
僕にはちょっとしたホラーです

あんまり易しく
触れてくるので

それすら、ねぇ

手のさきに繋がった
なまあたたかいきもちなんて

伝わるはずもなかった

5.

爪先にちいさく傷

なおりかけの哀しさ

ささいなつながり
こうやって失ってく
きっと
いつも

ただしいこと と
云う声がしました から

あたしはただしさを求めたいのかな


鳥やら飛行機やらの世界
それだけが空

放りだしたままのとい

かたまったのがくもです

そんなに抱えて
あれが

落ちてこない
わけがないねぇ なんて

いつかの人の言葉

なおりかけた爪先で
なまえ
忘れたのか
思いだせないのか

どっちでも おなじ ですか


ごめんなさいねぇ


云ったら

すいこんで
知らないあいだ
すこし重みをまします

また


あれが落ちてきたとき

両手で足りるのかしら なんて

なんて

6.

影のさき 指のほそさ

いやな気持ち

もろもろした

影をみる

1.

そらいろの夢をみた


自由詩 ノート Copyright  2005-12-03 11:51:46
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