平日昼間のスポーツクラブ
石川和広


水の中にいると
からだが少しだけ重くて
しぶきが鮮やかで
とても冷静で
水から顔を上げて
ゴーグルから水がこぼれて
いつまでつづくかわからないけど
いつまでも
いつまでも
少し苦しい
狂おしい
まったくの温水プール

みんなからだがちがっていて
昼間は
おじさんとおばさんばかりで
笑っているのをみると
少しうらやましくて怖い
少しだけ若い僕は
排除の雰囲気を感じたりもして
ひりひりして
そして泳いで

あまり水泳の得意でない僕だけど
今日一人あいさつをした人がいた
裸に近くて
どきりとする
それでも
黙々と泳いで

いつまでつづくかな
驚くほどけだるくない

しずかに夜が来る








2005.12.2


自由詩 平日昼間のスポーツクラブ Copyright 石川和広 2005-12-02 18:24:45
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