ロンド
ミゼット

せっかく色がついたのに
わたしにお声がかからないので、
欲望ばかりが成長しました。

(隙が無いといけない模様、本にそう書いてありました)

なので大きく育ったこのセイヨクを
ぷちん と身から切り離して
リボンを結んで連れて歩いてくることにします。

近くの公園に池があるので
散歩するのにはちょうど良い。

ピンクのリボンで首を結んだ
わたしの欲は先へ行く。

わたしはリボンの端をつまんで
スカートをはいて
ブーツをはいて
お池の周りを歩きます。

(裸足になってもいいんですよ、あなたがそう望むのならば)

(これからどんどん寒いのですから、触れてみたくはないですか)

わたしの欲は先へ行く。
わたしはリボンの端をつまんで
二人でお池の周りを歩く。

そうして空気をねじる、ねじる。



あと七周ほどしましたら
とうとうお家に帰りますから
どうぞ待っててくださいね。

冷蔵庫にあるとっときの
プリンを食べても怒らないです。

あと七周したら帰ります。
あと七周です。
きっと待っててくださいね。
すっかり冷えて、帰りますから。



お池の周りをめぐってめぐって
わたしと欲は
空気をねじる。
そうして何かの変化を待つの。


自由詩 ロンド Copyright ミゼット 2005-12-01 17:24:09
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